2022年4月15日14時~16時「B&Hマーケター実践講座」の第12回事例検討会を行いました。
マーケター実践講座の事例検討会は、仕事をしていく中でうまれた悩みを相談できるだけでなく、マーケターとして活動していくにあたり知っておくと良い知識や事例を学び、ディスカッションできる場です。
今回の事例検討会では、メルマガとチラシは使い分けているか?使い分けるポイントは何か?といった相談からスタートし、D2C大手企業2社の決算書や医薬品通販についてディスカッションを行いました。
検討会終盤では、空間除菌商品が再び景品表示法違反になった事例を共有し、最後はライター・マーケターとして仕事をしていくうえでのリスク回避に関する話にまで至りました。
この記事では「事例検討会に出た主な相談」と、「D2C企業の決算書の見方と決算書から見える大手企業の動向と戦略」についてご紹介します。
もくじ
第12回B&Hマーケター実践講座事例検討会に出た主な相談
- メルマガとチラシの使い分けについて
- D2C企業の決算書の見方と決算書から見える大手企業の動向と戦略について
- 医薬品通販を始める場合について
- 空間除菌商品の景品表示法違反事例について
- リスク回避について
事例検討会に参加した受講生の声
事例検討会参加後の受講生の感想をいくつかご紹介します。
【】内の点数は「今日の事例検討会を知り合いにすすめる可能性は10点満点で表すと何点」という質問に対する回答です。
S・S様【10点】
【上記の点数をつけた理由】
D2Cの最新決算を振り返ることができた。
【事例検討会で解決できたこと・気づき】
2社の今後の方向性、医薬品通販のイメージ
M・G様【10点】
【上記の点数をつけた理由】
今日のLINEニュースでも取り上げられていた注目度の高い話題に触れられて良かったです。
【事例検討会で解決できたこと・気づき】
話題に出たケースは、問題が思ったよりネチネチしているという印象を持ちました。
根拠ゼロではないものの、第三者から認められるほどの根拠はない商品を作ってしまっている企業はたくさんあると思うので、この事例が他社にも活かせればいいと感じました。
M・S様【10点】
【上記の点数をつけた理由】
クライアント様にご提案する際のポイントや、決算書を見る際のポイントを知ることができたため。
【事例検討会で解決できたこと・気づき】
クライアント様に提案する時にはクライアント様の現状の全体像を見た上での提案が大切であること。
決算書は各社の戦略が学べ、マーケターとしても参考にできる内容が多いため、目を通しておくことの重要性を感じました。
リスク回避の重要性も改めて感じました。
D2C企業の決算書を読み解く
決算系の資料は3ヶ月おきに出るのが基本ですが、第2四半期(2Q /半期)と第4四半期(4Q /本決算)の少なくてもこの2回は目を通すと良いでしょう。
ではどこをどの様に見たら良いのでしょうか?
前回の営業利益と比べて、何が要因で利益が減って増えたのかをグラフにしたものを利益増減分析といい、利益の増減が目に見えてわかるのでマーケティング観点から見ても非常に勉強になります。
多くの会社は売上を伸ばすことにフォーカスしがちですが、売上が伸びても利益が伸びないと実際の利益は出ません。
◆LTV(Life Time Value)の向上が今後のテーマに
最近は広告相場が数年前とは比べものにならないくらい高騰しています。
これまでとは違い、「特商法の改正」によって新規定期購入での顧客獲得は難しくなりました。今後はますます休眠客の復活や既存客のLTVをいかに高められるか、その対策がより注目されていくでしょう。
LTVとは:日本語で表すと「顧客生涯価値」といい、ある顧客が一生のうちに自社製品やサービスをどれだけ購入・利用してくださるのか、どれだけの利益をもたらしてくれるのかを示した値です。(出典:LTV(Life Time Value)とは何か?用語の意味や算出方法、具体的な施策などを徹底解説|コラム|リコー (ricoh.jp)
◆ECモールでの販売を強化
今まで定期購入を柱としてきた会社がAmazonや楽天市場などのモール販売に舵を切っているケースもあります。
消費者からすれば、買い物をするとしたら企業ページから購入するよりもAmazonや楽天市場などのモールを使ったほうが楽であると思っている層も一定数います。
買い切りが主流であり、手数料も高いのがECモールの弱点ではありますが、プラットフォームが強いため商品の認知を広げるという意味では良いでしょう。
ECモールを利用する消費者は購買目的が明確であり、顧客自らが他社商品との比較検討をして購買に至るため、インターネット広告の相場高騰の影響が限定的と見込まれます。
◆定期購入の見直し
今回決算書を参考にしたA社(仮名)は、定期購入に関しても戦略をたてていました。
●1つの商品を安定的に供給するために時間がかかり、多くの商品を販売することができない
●想定通りの売り上げにつながらずにリソースが無駄になる
これらの課題を解決するために…
●新商品を「都度購入商品」として発売
●一定の売り上げ基準を超過した商品のみ「定期購入商品」として販売する
という方針へ切り替えています。
テスト販売をより早く行い、売れたものはより多く売れる体制を整えることにしたのです。
商品を作ってから売れないというのは無駄の極みです…
最初から大量に作るのではなく、単価が高くなったとしても小ロットで作り、それが本当に売れるのかというのをしっかりとモニタリングしていくべきでしょう。
在庫を抱えないためにも、マーケターとしてこのような視点をもちながら商品の開発、企画段階から関わっていけると良いでしょう。
このように決算書から各社の戦略を学ぶことができます。
大企業と中小企業では戦略も異なり、それぞれに参考になる部分も多々あるため、決算書を確認し理解を深めておくことをおすすめします。
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B&Hマーケター実践講座では、マーティング視点からのアドバイスもできるライターを目指し、活動しています。
経験豊富な講師の助言はもちろん、様々な事例を経験している講座生同士のディスカッションからは毎回多くの気づきを得ることができ、すぐに実践に役立てることができます。
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