理学療法士の経験は、ライターのシゴトに活かせます。医療・健康記事を書くのはもちろん、医療機関やヘルスケア企業のコンテンツ制作、インタビュー記事、患者さん向けの情報発信など、関われる領域は一つではありません。
ただし、「理学療法士の資格があります」と伝えるだけで案件につながるわけでもありません。依頼者が求めているのは資格そのものではなく、その知識や現場経験を使って、誰に、どんな価値を届けられるのかだからです。
この記事では、理学療法士ライターにどんなシゴトがあるのか、臨床経験をどう強みに変え、実際の案件につなげるのかまで具体的に解説します。
理学療法士ライターにはどんなシゴトがある?
理学療法士ライターというと、「リハビリの記事を書く人」をイメージするかもしれません。もちろん、それも一つです。ただ、理学療法士として培った知識や経験が活きる場所は、もう少し広く考えられます。
代表的なのは、次のようなシゴトです。
医療・健康メディアの記事を書く
もっともイメージしやすいのが、Webメディアの記事執筆です。
たとえば、
- リハビリテーション
- 運動や身体活動
- 高齢者の生活
- 介護予防
- スポーツ
- 整形外科領域
- 在宅生活
- 福祉・介護
など、自分が経験してきた領域に関連するテーマがあります。ここで活きるのは、教科書で学んだ知識だけではありません。
「患者さんはどこで理解につまずきやすいのか」「専門用語をどう説明すると伝わるのか」といった、臨床で何度も説明してきた経験もライティングの材料になります。
病院・クリニック・介護事業者のコンテンツを創る
オウンドメディアの記事だけがシゴトではありません。
病院やクリニック、訪問看護・介護事業者などが発信する、
- Webサイトの文章
- 採用コンテンツ
- 患者さん向けコラム
- サービス紹介
- SNS投稿
- インタビュー記事
などにも関われます。
現場を知らないライターの場合、専門職へヒアリングしながら一から理解しなければなりません。一方、理学療法士として勤務経験があれば、「この表現では患者さんに伝わりにくそう」「現場ではここが気になる」と判断できる場面があります。この「現場を分かったうえでコトバにできること」が強みになります。
医療・ヘルスケア企業の情報発信を支援する
視野を広げれば、記事執筆以外の案件も考えられます。たとえば、リハビリ関連サービスや介護サービス、ヘルスケア商品を提供している企業で、「専門的な内容を一般の人へどう伝えるか」に困っているケースです。
そこで必要になるのは、単に正しい文章を書く力ではありません。「誰に伝えるのか」「その人は何に困っているのか」「どこまで専門情報を噛み砕くのか」を考え、伝わる状態に変える力です。
AI時代のライターには、書くことだけではなく、ヒアリングやリサーチによって依頼者自身も気づいていない強みを見つけ、適切な表現へ変える部分に価値があります。
理学療法士資格があればライターとして有利なのか

結論からいうと、資格は強みになります。ただし、資格がそのまま案件になるわけではありません。たとえば提案文に、「理学療法士として10年間勤務してきました。医療知識があります」とだけ書いたとします。経歴としては分かります。でも依頼者からすると、「それで、何をお願いできる人なのか」がまだ見えていません。
同じ10年間でも、「整形外科領域で患者さんへの運動指導を経験してきたため、専門情報を一般の方へ噛み砕いた記事制作ができます」と伝えたほうが、提供できる価値が具体的になります。
さらに、「高齢者へのリハビリ経験を活かし、ご本人だけでなく家族が理解しやすいコンテンツを企画できます」まで言えれば、シゴトのイメージはさらに明確になります。
中道麻智子FUNADE講師 中道麻智子の考え方
経験や資格は、持っているだけではまだ「素材」です。
大事なのは「私は何を知っているか」で終わらず、「その経験を使って、誰の、どんな困りごとを解決できるか」へ置き換えることです。
理学療法士という肩書きを売るのではありません。患者さんへの説明、他職種との連携、身体を見る視点、現場で感じてきた課題まで分解していく。その中に、他のライターにはないシゴトの種があります。
理学療法士ライターについては、「理学療法士がライターになるには?未経験から資格・臨床経験を活かす始め方」もご参考ください。
理学療法士の経験をライターのシゴトに変える3ステップ
では、実際に何から始めればよいのでしょうか。「ライティングを勉強してから案件を探す」だけではなく、先に自分の経験を棚卸ししておくことをおすすめします。
1.自分が説明できるテーマを10個書き出す
まずは、これまで経験してきた領域を書き出します。
たとえば、
- 整形外科
- 脳血管疾患
- 訪問リハビリ
- 高齢者
- スポーツ
- 退院支援
- 家族指導
- 多職種連携
- 福祉用具
- 新人教育
などです。ただし、「整形外科」と書いて終わりでは足りません。そこから、「誰の、どんな悩みなら詳しく説明できるか」まで掘ります。
たとえば整形外科なら、「はじめてリハビリを受ける患者さんが不安に感じやすいことを説明できる」というところまで具体化できます。これで、単なる経歴がコンテンツのテーマに変わります。
2.自分の専門性が見える記事を創る
案件を受ける前でも、記事は創れます。たとえば、「高齢の親が退院するとき、家族が確認しておきたい生活上のポイント」といったテーマでサンプル記事を制作します。
大切なのは、専門知識を詰め込むことではありません。「誰に向けた記事なのか」「読後に何が分かるのか」が明確になっていることです。
仮に整形外科経験のある理学療法士なら、一般的な健康記事を10本並べるより、「整形外科×患者さんへの説明」という強みが伝わる数本を揃えたほうが、選ばれる理由を説明しやすくなります。
制作見本の創り方については、「実績なしからライターとして有料案件を獲得する方法|制作見本の創り方を解説」もご参考ください
3.「書けます」ではなく「どう役立てるか」を提案する
案件へ応募するときも同じです。「理学療法士なので医療記事を書けます」ではなく、「整形外科領域で患者さんへの説明を行ってきた経験を活かし、専門情報を一般の読者にも理解できる内容へ整理します」と提案します。
自己紹介や経歴の羅列から始めるのではなく、「相手にどのような価値を提供できるのか」を先に伝えることが重要です。
提案そのものを深めたい場合は、「【実例あり】成約率が2倍3倍に!ライターのシゴトがバンバン獲れる「提案文」の創り方」もご参考ください。
「理学療法士×別の強み」でシゴトはさらに広がる
専門資格を持つ人ほど、「資格に関係することだけをシゴトにしなければ」と考えやすいかもしれません。ですが、強みは一つに絞る必要はありません。
FUNADEにある実例では、理学療法士としてのキャリアを持つ受講生が、自分の好きだった「小説の創作」を別物として切り離すのではなく、ストーリーを創る力としてシゴトに結びつけていきました。
その結果、小説に関連する依頼も増え、30万円を超える案件の受注につながっています。詳しい経緯は、理学療法士から独立し、趣味の小説を強みに変えた受講生事例で紹介されています。
もちろん、「理学療法士×小説」が全員の正解という意味ではありません。ここから持ち帰ってほしいのは、資格以外の経験や好きなことも組み合わせてよいという点です。
たとえば、
- 理学療法士×スポーツ経験
- 理学療法士×子育て
- 理学療法士×介護経験
- 理学療法士×採用・教育
- 理学療法士×SNS
- 理学療法士×インタビュー
という組み合わせも考えられます。一つひとつは珍しくなくても、組み合わせることで「このテーマならこの人」というポジションが見えてきます。



FUNADE講師 中道麻智子の考え方
専門性は、「一番詳しい分野を一つ決めること」だけではありません。
自分の中にすでにある経験、資格、得意、興味を組み合わせ、依頼者にとって意味のある形へ変えることも専門性です。
「理学療法士だからリハビリ記事を書く」と決めてしまう前に、自分がどんな現場を見てきたのか、何を繰り返し説明してきたのか、何なら時間を忘れて考えられるのかまで見てみてください。
理学療法士ライターが陥りやすい3つの失敗


理学療法士という専門性があるからこそ、避けたいパターンもあります。
一つ目は、資格だけで差別化しようとすることです。
依頼者が必要としているのは資格保有者そのものではなく、コンテンツを通して課題を解決してくれる人です。
二つ目は、「医療なら何でも書けます」と広げすぎることです。
広く見せたほうが案件が増えそうに感じますが、反対に「何が得意な人なのか」が分からなくなることがあります。最初は、自分の臨床経験と距離の近い領域から絞ったほうが強みを言語化しやすくなります。
三つ目は、書くことだけをシゴトだと思うことです。
依頼者の課題を聞けば、「記事を書いてほしい」の奥に、「患者さんにサービスが伝わっていない」「専門的すぎてWebサイトが読みにくい」といった別の課題が見える場合があります。そこから記事企画、サイト改善、SNS、インタビューなどへ提案できれば、一記事を納品するだけではない関わり方が生まれます。
FUNADEでは、こうして相手の課題から新しいシゴトを考える力を「案件ソウゾウ力」と捉えています。案件ソウゾウについて詳しく知りたい方は、「ライターの単価が上がらないのは「尻馬に乗っている」から。私達がやるべきは案件ソウゾウ」もご参考ください。理学療法士としての経験を単価や継続依頼へつなげたい人に関連するテーマです。
【事例】理学療法士10年からセールスライターへ。1件30万円を超える案件を受注


B&Hライター養成講座を受講した田中めぐみさんは、理学療法士として10年間働いた後、セールスライターとして独立しました。
記事だけでなく、ランディングページやチラシ制作にも挑戦
めぐみさんが取り組んだのは、医療記事だけではありません。
未経験だったランディングページやチラシなどの広告制作も学び、実際の広告を分析したり、制作見本を創って添削を受けたりしながら、ライティングの幅を広げていきました。
その後、独立して約3か月で1件30万円を超える案件を受注しています。
案件獲得につながった背景には、ライティングを学ぶだけでなく、人と会い、相手に合わせて提案する行動もありました。
理学療法士以外の経験も、強みに変わった
さらに、めぐみさんは趣味で続けていた小説の創作活動も、自分の強みとして活かしています。
もともとは「小説は趣味で、シゴトとは別」と考えていましたが、物語を創る力とセールスライティングを掛け合わせたことで、小説のリライトなどの依頼にもつながるようになりました。
この事例から分かるのは、「理学療法士からライターになる=医療記事を書く」と限定する必要はないということです。
理学療法士としての専門性に、広告ライティングや提案力、さらに自分の趣味や経験を掛け合わせることで、記事以外のシゴトにも広げられる可能性があります。
大切なのは、「何の記事を書けるか」だけではなく、「これまでの経験を、コトバを使って誰の役に立てられるか」と考えることです。
めぐみさんの事例については、「理学療法士から独立し、コトバツカイへ!趣味の「小説」を武器に30万円の案件を獲得できた理由【B&Hライター養成講座 受講生インタビュー】」もご参考にしてください。
【事例】理学療法士からライターへ。さらにランディングページ制作へシゴトを広げ、月収50〜60万円に


B&Hライター養成講座を受講したRさんは、もともと理学療法士として医療現場で働いていました。
出産を機に退職した後、フリーランスの医療系ライターへ転身。SEO記事の執筆やディレクションを行い、多い月には約50記事を制作・編集して、月40万円ほどになることもありました。
ただ、その分、毎日納品に追われる状態に。「記事数を増やして収入を上げる働き方には限界がある」と感じるようになったといいます。
SEO記事だけでなく、1本10万円のLP制作へ
そこでRさんが新たに学んだのが、LP(ランディングページ)などの広告ライティングです。
制作見本を創るだけでなく、商品や読み手について調べた内容をまとめたコンセプトシートも一緒に提案したところ、そのリサーチ力を評価され、広告制作会社とのシゴトにつながりました。
その後は1本10万円単位のLP案件や、月額40万円近い依頼も受注。月収は50〜60万円ほどで推移し、以前より時間にも余裕を持てるようになったそうです。
理学療法士の専門性を、記事だけに限定しなくていい
Rさんの事例から分かるのは、理学療法士の専門性を活かす方法は、医療系の記事を書くことだけではないということです。
Rさん自身も「薬機法管理士」の資格を取っただけではLP案件を獲得できず、広告のリサーチや制作、提案を実践することでシゴトにつなげていきました。
理学療法士として持っている医療・健康の知識に、広告ライティングやリサーチ、提案力を掛け合わせれば、記事だけでなくLPや広告などへシゴトを広げられる可能性があります。
「理学療法士だから医療記事を書く」と決めるのではなく、自分の専門性をコトバでどう活かせるかまで考えてみることが、シゴトの選択肢を広げる一歩になります。
Rさんの事例については、「【B&Hライター養成講座 受講生インタビュー】月50記事書く疲弊SEOライターが、時間に余裕を持ちながら月収60万円のセールスライターへ転身できた理由」もご参考にしてください。
【事例】理学療法士×副業ライターで月15万円。記事から広告制作へシゴトを広げたおのせさん
おのせさんは、理学療法士として働きながら、副業でWebライター・セールスライターとして活動しています。
もともとはクラウドソーシングを中心に案件を受けていましたが、文字単価0.5円ほどのシゴトも多く、使える時間をほとんど使っても月数万円ほど。「このまま続けても先が見えない」と感じていたそうです。
記事だけでなく、LPやLステップの原稿制作へ
その後、セールスライティングを学び、シゴトの幅を広げていきました。
現在は記事制作に加えて、
- LP(ランディングページ)
- Lステップの原稿
- セールス用動画の制作
などにも関わっています。
収入面でも変化があり、副業収入は月15万円を達成。記事も文字単価ではなく記事単価で受けるシゴトが中心になり、広告制作も制作物単位で契約するようになりました。
理学療法士の専門性と提案力を掛け合わせた
身につけたのは、セールスライティングだけではありません。
案件についてリサーチし、「依頼者のためにもっとできることはないか」と考えて提案するようになったことで、継続依頼にもつながっています。現在の依頼はほとんどが継続で、依頼者側から単価を上げてもらったこともあるそうです。
また、理学療法士としての専門性を活かし、整体院や接骨院など健康分野の広告制作にも強みを持っています。この事例から分かるのは、理学療法士ライターのシゴトを「医療記事を書くこと」だけに限定する必要はないということです。
専門知識に、広告ライティングやリサーチ、提案する力を掛け合わせれば、LPや販促コンテンツなどへシゴトを広げられる可能性があります。
大切なのは、文字数を増やして収入を上げることだけではありません。「自分の専門性を使って、依頼者の課題にどう貢献できるか」と考えることが、シゴトの幅を広げるきっかけになります。
おのせさんの事例については、YouTube動画の「月数万円しか稼げなかったWebライターが、複業収入15万円を達成できた理由【B&Hライター養成講座受講生実績】」もご参考にしてください。
まとめ 理学療法士の経験を「伝わる形」に変えて、ライターのシゴトにつなげよう
理学療法士ライターのシゴトは、医療記事を書くことだけではありません。医療・健康メディアの記事、病院や介護事業者のコンテンツ、インタビュー、企業の情報発信など、専門知識を「伝わる形」に変えられる場所で力を発揮できます。
そのために、最初にやることは資格を増やすことではありません。自分が経験してきたことを10個ほど書き出し、「その経験を使って、誰の、どんな困りごとを解決できるか」まで言語化してみてください。
そして、その強みが伝わる記事を一本創り、実際の依頼者へ提案する。学習だけではシゴトになりません。自分の中にある経験を外へ出し、相手に役立つ形へ変えたところから、理学療法士ライターとしてのシゴトが始まります。
さらに「記事を書く」以外へシゴトを広げたい場合は、コトバツカイへのロードマップも次の参考になります。
なお、理学療法士の資格にセールスライティング、薬機法、提案力、営業を掛け合わせ、収入に繋げる働き方“コトバツカイ”について詳しく知りたい方は「AI時代に求められ続ける新しい職業「コトバツカイ」とは」をご覧ください。
理学療法士経験を、シゴトとして必要とされる価値へ変えたい方へ


FUNADEでは、書く力だけでなく、リサーチ・ヒアリング・制作・提案まで、理学療法士の資格を活かしながら実際にシゴトへつなげるところを重視しています。
まずはFUNADEの関連コンテンツを読みながら、自分の経験を棚卸しするところから始めてみてください。さらに体系的に学び、制作へのフィードバックを受けながら実践したい場合は、B&Hライター養成講座の情報も無料体験ウェビナーで確認できます。



