「もっと単価を上げたいなら、高単価案件を探さないといけない」そう考えて、求人サイトを見たり、新しいライティングスキルを学んだりしていないでしょうか。
もちろん、それも単価を上げる方法の一つです。ただ、案件を探し続けるだけでは、基本的に「誰かが用意したシゴトの中から選ぶ」という状態は変わりません。
そこで身につけたいのが、「案件ソウゾウ力」です。案件ソウゾウとは、クライアントさんが抱えている悩みや目指している未来を理解し、「それなら、こんな形でお手伝いできます」とシゴトそのものを提案すること。
単に文章を書けるだけではなく、自分の経験や専門性、コトバの力を「相手に必要とされる形」へ変えていきます。この記事では、案件ソウゾウ力とは何か、なぜ単価アップにつながるのか、実際に何を見て、どう提案を考えればよいのかを5つのステップで解説します。
読み終わるころには、今のクライアントさんに対して「もしかしたら、こんな提案ができるかも」と一歩踏み込んで考えられるはずです。
- 案件ソウゾウ力とは、募集されている案件を探す力ではなく、クライアントさんの悩みや目標を理解し、自分の経験・専門性・コトバの力を組み合わせて新しいシゴトを提案する力です。
- 単価を上げるときは「文章を何文字書くか」ではなく、「相手のどんな課題を、どこまで解決するか」までシゴトの範囲を広げることが一つのポイントになります。
- いきなり大きな企画を売り込む必要はありません。今のクライアントさんを観察し、悩みを一つ見つけ、自分にできそうな小さな提案を考えるところから案件ソウゾウは始められます。
ライターの「案件ソウゾウ力」とは?
案件ソウゾウ力とは、クライアントさんから与えられた依頼をこなすだけではなく、相手の悩みや目標から逆算して「こんなシゴトが必要なのではないか」と考え、提案する力です。ポイントは、「自分が何を書けるか」から考えないこと。
たとえばSEO記事を書いているライターなら、
「SEO記事を書けます」
「インタビュー記事も書けます」
「メルマガも書けます」
と、自分が持っているスキルを並べたくなるかもしれません。ですが、クライアントさんが本当に困っているのは、「SEO記事が足りないこと」とは限りません。
「問い合わせにつながらない」
「商品の魅力がうまく伝わっていない」
「営業担当者によって説明内容がバラバラ」
「SNSは更新しているけれど、その先の導線がない」
といった課題があるかもしれない。ここまで見えてくると、シゴトの形も変わってきます。
記事制作だけではなく、
- 既存記事の導線改善
- インタビューによる強みの言語化
- LPやサービス紹介ページの改善
- メルマガ・SNSとの連携
- 営業資料の整理
- コンテンツ企画
- 読者やお客さまへのヒアリング
など、さまざまな提案が考えられます。これが「想像→創造」です。相手の状況を想像し、必要なシゴトを創る。FUNADEでは、この視点を案件ソウゾウ力と考えています。
案件ソウゾウ力について、さらに詳しく知りたい方は「木を見て森を見ず。シゴトが獲れない原因は、スキルではなく「視野の狭さ」」もご参考ください。
案件ソウゾウと案件獲得・単価交渉は何が違う?

案件ソウゾウは、「用意された案件を取ること」や「今の作業単価を上げてもらうこと」とは少し違います。
違いを整理すると、次のようになります。
| 方法 | 起点 | 主な行動 | 単価が決まる基準 |
| 案件獲得 | 募集されている案件 | 応募・営業する | 募集条件の影響が大きい |
| 単価交渉 | 現在の依頼内容 | 報酬の見直しを相談する | 同じ作業内容の価格 |
| 案件ソウゾウ | クライアントさんの悩み・目標 | 必要な施策やシゴトを提案する | 解決する課題や提供範囲 |
もちろん、どれか一つだけが正解という話ではありません。駆け出しの時期であれば、募集案件へ応募し、まず実績を積むことも必要です。
継続して貢献できているのであれば、単価交渉が適切な場面もあります。ただ、同じ作業のまま「もっと高くしてください」とお願いするだけでは、どうしても上げられる金額には限界があります。
一方で、解決する課題そのものが変われば、シゴトの価値も変わります。「3,000文字の記事を書く人」から、「集客上の課題を整理して、必要なコンテンツを一緒に考える人」になれば、そもそも同じ土俵で価格を比較されにくくなっていくわけです。
ライターのシゴト獲得については、「ライターのシゴト獲得|単価を上げたいなら「下請け」ではなくシゴトを創り出す 」もご参考ください。
なぜ案件ソウゾウ力がライターの単価アップにつながるのか
案件ソウゾウ力が単価アップにつながる理由は、「作業量」ではなく「相手に提供する価値」を広げやすくなるからです。
記事執筆だけを受けている場合、どうしても、
文字数×文字単価
記事数×記事単価
といった形で金額が決まりやすくなります。すると売上を増やそうとしたとき、「もっと書く」という選択になりがちです。
5本を10本にする。10本を15本にする。短期的には売上が増えても、使える時間には限界があります。案件ソウゾウでは、「そもそも何のためにこの文章が必要なのか」までさかのぼって考えます。
「記事を書く」から「目的を達成する」へ変わる
たとえば、「自社サイトの記事を書いてほしい」という依頼があったとします。依頼された記事を正しく、分かりやすく納品する。もちろん、それは大前提です。
ただ、一歩踏み込んで聞いてみると、「記事からサービスへの問い合わせを増やしたい」という本来の目的が見えるかもしれません。そうすると、見るべきものが変わります。
記事の文章だけではなく、検索意図、導線、CTA、サービスページとのつながり、既存記事との役割分担なども考える必要が出てきます。その結果、「記事を3本書きます」ではなく、「問い合わせにつなげるために、既存記事を分析し、新規記事と導線改善をセットで行いませんか」という提案ができるかもしれません。
これなら、単なる執筆代行とは提供する価値が違います。
依頼範囲が広がると、クライアントさんとの関係も変わる
案件ソウゾウができるようになると、「書く人」から「相談する人」へ立ち位置が変わりやすくなります。
「この記事を書いてください」だけではなく、
「この商品、どう伝えたらいいと思いますか?」
「次は何を発信したらいいでしょう?」
「この企画、一緒に考えてもらえませんか?」
と相談されるようになる。
ここまで来ると、単発の記事単価だけでシゴトを考える必要がなくなってきます。企画、リサーチ、ヒアリング、構成、制作、改善まで含めた継続的な関わり方も選択肢に入ります。
案件ソウゾウ力を身につける意味は、単に「高い案件を取る」だけではありません。自分が担える役割そのものを広げられるところにあります。
中道麻智子FUNADE講師 中道麻智子の考え方
書ける文章の種類が増えることと、単価が上がることは同じではありません。
SEOライティング、インタビュー、メルマガ、LP、SNS。もちろん、それぞれの制作経験は役に立ちます。でも、「私はこれを書けます」で止まっていたら、結局は用意されたシゴトの中から選ばれる側です。
FUNADEで大事にしたいのは、その一歩先。
この人は何に困っているんだろう。私が持っているものを、どう使ったら役に立てるんだろう。
資格でも、以前の職場での経験でも、趣味でも構いません。それを相手の悩みと結びつけられたとき、単なる「書ける人」ではなく、シゴトを一緒に創れる人へ変わっていきます。
案件ソウゾウができるライターは何を見ている?


案件ソウゾウができる人は、クライアントさんから依頼された文章だけを見ているわけではありません。その文章の「前後」を見ています。
つまり、
「なぜ、この文章が必要なのか?」
「この文章を読んだ人に、どうなってほしいのか?」
「クライアントさんは、その先で何を実現したいのか?」
という部分です。
クライアントさんの「ゴール」を見る
B&H Promoter’sで提案資料を考える際にも、大切にしているのが「ゴールから逆算する」という考え方です。
提案資料の最初から、
「こんな記事を書きます」
「こんな施策をします」
と説明するのではありません。
まず、「この提案によって、どんな状態を目指すのか」を明確にします。たとえばInstagram運用であれば、「投稿を月4本創る」こと自体はゴールではありません。ECサイトへのアクセスを増やしたい。商品の認知を広げたい。フォロワーさんに商品の魅力を理解してもらいたい。
こうしたゴールが先にあり、そのための手段として投稿やプロフィール改善、企画、分析などがあります。
事例でも、雑貨を扱う会社さんのInstagram支援に対して、現状とゴールの差を分析し、その差を埋める施策を提案した結果、月額約15万円の案件につながっています。大事なのは「Instagramができます」という話ではありません。「この会社さんが目指している状態に近づくために、何が必要なのか」を考えたことです。
現状とゴールの間にある「差」を見る
案件ソウゾウを考えるときは、
現状 → 課題 → ゴール
の順番で整理すると分かりやすくなります。
たとえば、
現状:SNSを更新しているが、Webサイトへほとんど遷移していない
ゴール:SNSから商品ページを見てもらえる状態を創りたい
課題:プロフィール、投稿内容、CTAなどに改善余地がありそう
という状態なら、
- プロフィール改善
- 投稿テーマの再設計
- 誰に向けた投稿なのかの整理
- キャッチコピー改善
- CTAの見直し
- 定期的な数値分析
などが候補になります。案件ソウゾウは、何もない場所から突然アイデアをひねり出すことではありません。現状とゴールの差を見れば、「何が必要か」は少しずつ見えてきます。



FUNADE講師 中道麻智子の考え方
新しいシゴトを創ると聞くと、「もっと資格を取らないと」「何か特別なスキルが必要なのでは」と思うかもしれません。
でも、案件ソウゾウで見直してほしいのは、新しく手に入れるものだけではありません。
今までやってきたシゴト。人からよく相談されること。資格。趣味。失敗した経験。好きで何年も続けてきたこと。
自分では普通だと思っていたものが、誰かから見ると価値になることがあります。
小説を創ってきた経験とセールスを結びつけてシゴトを広げた受講生さんのように、重要なのは「持っているものがすごいか」ではなく、
それを誰の、どんな悩みに役立てられるかです。
案件ソウゾウ力を実践する5ステップ
では、実際に案件ソウゾウをどう進めればよいのでしょうか。いきなり大きな提案資料を創る必要はありません。
まずは、次の5ステップで考えてみてください。
ステップ1|クライアントさんが本当に目指しているゴールを確認する
最初に確認したいのは、「何を依頼されたか」ではなく「なぜ、それを依頼しているのか」です。
記事制作なら、
「この記事で、最終的にどうなれば理想ですか?」
「今、メディアで一番困っていることは何ですか?」
「問い合わせを増やしたいのか、まず認知を広げたいのか、どちらに近いですか?」
と聞いてみる。
これだけでも、依頼内容の奥にある目的が見えやすくなります。ここを飛ばしてしまうと、自分では良い提案をしたつもりでも、クライアントさんには、「今、それには困っていないんだけどな」と思われてしまいます。
提案のスタート地点は、自分のスキルではありません。相手が向かいたい場所です。
ステップ2|ゴールを邪魔している悩み・課題を探す
次に、現状とゴールの間に何があるのかを考えます。クライアントさん自身が課題を明確に把握しているとは限りません。「問い合わせが少ないんです」と相談されても、原因は一つではないからです。
アクセス自体が少ないのか。
記事は読まれているけれど、サービスへの導線が弱いのか。
サービスページを見ても、魅力が伝わらないのか。
読者が求めている情報と発信内容がずれているのか。
一段ずつ分解していきます。
ここで役立つのが、ライターが普段から行っているリサーチやヒアリングです。
相手の話を聞く。
Webサイトを見る。
SNSを見る。
競合を見る。
実際のお客さまの声を見る。
これらをつなげていくと、表面的な依頼の奥にある課題が見えてくることがあります。
ステップ3|自分の経験・専門性・スキルと結びつける
課題が見えてきたら、そこでようやく「自分に何ができるか」を考えます。ここで使えるのは、ライティングスキルだけではありません。
たとえば薬剤師であれば、
- 医療情報を読み解ける
- 専門家が何を気にするか分かる
- 一般の人がどこでつまずきやすいか想像できる
- 現場で患者さんから聞かれやすい疑問を知っている
といった経験があります。
管理栄養士なら、
- 食事指導の経験
- 健康情報を分かりやすく伝える力
- 食品を選ぶ人の悩み
- 専門情報と生活者感覚の両方を知っている
といった強みがあるでしょう。
もちろん、資格だけに限りません。趣味、前職、営業経験、接客経験、子育て、SNS運用、読書、創作活動。これまで自分が積み重ねてきたものは、別々にしまっておく必要はありません。
FUNADE | B&Hライター養成講座の受講生さんには、小説家としての創作活動とコトバのスキルを結びつけたことで、小説関連のシゴトへ幅を広げ、1件30万円を超える依頼につながった事例もあります。
はじめから「小説の経験がシゴトになる」と考えていたわけではありません。一見関係なさそうな経験でも、目の前の相手の悩みと組み合わせることで価値になることがあります。
だからこそ、「ライターとして何ができるか」だけで自分を区切らないことが大切です。
ステップ4|「何をするか」ではなく「どんな未来に近づけるか」で提案を組み立てる
提案をするとき、よくあるのが、
「SEO記事を書けます」
「ランディングページ(LP)も対応できます」
「SNS運用もできます」
というスキルの羅列です。
ですが、クライアントさんからすると、その前に知りたいことがあります。「それを頼むと、うちはどうなるの?」ということです。
提案を考えるときは、次の順番で整理してみてください。
- 目指すゴール
- 現状
- ゴールを妨げている課題
- 課題を解決するために行うこと
- 自分が担当できる範囲
- 進め方
- 必要に応じて事例・根拠
- 費用
たとえば、「記事を10本書きませんか」ではなく、「現在は記事からサービスページへの導線が少ないため、問い合わせにつながりにくい状態だと考えています。既存記事の導線を整理したうえで、検索ニーズの高いテーマを追加すると、サービスを知ってもらう接点を増やせそうです」と説明する。
そのうえで、「既存記事の分析、記事企画、新規記事制作、CTA改善までであれば対応できます」と提案すれば、なぜそのシゴトが必要なのかが伝わります。
高単価案件を獲得する提案資料の創り方については、「【実例付】高単価案件を獲得する提案資料の創り方!ゴールからギャクサンする3つのポイント」もご参考ください。
ステップ5|小さく提案し、反応と結果から改善する
案件ソウゾウというと、「立派な企画書を創って、大きな案件を取らなければ」と思うかもしれません。そこまで身構える必要はありません。むしろ、はじめは小さく提案するほうが実践しやすいです。
たとえば記事納品時に、「今回リサーチしていて、関連記事への導線が少し弱いように感じました。必要であれば、次回3記事ほど内部リンク候補を整理してみましょうか」と伝える。
あるいは、「商品ページを拝見すると、専門的な説明が多いので、一般のお客さま向けFAQを追加すると理解しやすくなりそうです」と一言提案する。
採用されなかったとしても構いません。「相手の課題を考える→提案する→反応を見る」という経験そのものが、案件ソウゾウ力を鍛えていきます。



FUNADE講師 中道麻智子の考え方
案件ソウゾウは、「どうすれば追加でお金をいただけるか」を考える方法ではありません。
順番は逆です。
まず相手を見る。
何を目指していて、どこで困っていて、その人だけでは進めづらくなっていることは何なのか。そのうえで、自分にできることを考える。
だから、何も困っていない相手へ無理にシゴトを創る必要もありません。
シゴトは悩み解決です。
自分の商品を売り込むために相手の悩みを探すのではなく、目の前の人の悩みに向き合った結果として、「それなら私ができますよ」と言えるものが見つかる。この順番は、FUNADEでかなり大事にしたいところです。
提案が「押し売り」にならないために大切なこと


自分から提案することに抵抗がある人は少なくありません。
「余計なことを言ったら迷惑では?」
「クライアントさんの事業に口を出していいの?」
「自分より詳しい人に提案するなんて失礼かも」
そう感じる人もいるでしょう。
ここで大切なのは、「自分が売りたいもの」ではなく「相手が困っていること」から提案することです。押し売りになる提案は、「私、ランディングページ(LP)も書けます。発注しませんか?」のように、自分が売りたいものが先に来ます。
一方、
「今、記事からサービスへの流入を増やしたいというお話がありましたが、サービスページ側の説明も少し整理すると、より内容が伝わりやすくなりそうです。必要であれば一度改善案を整理します」
なら、起点は相手の悩みです。
さらに、
「もし必要であれば」
「今の優先順位でなければ、またタイミングが合うときに」
「まずは案だけお送りします」
と、相手が選べる余白を残せます。提案とは、相手に買わせることではありません。「こういう選択肢もあります」と一緒に考えることです。
実績が少ないライターでも案件ソウゾウはできる?
実績が少なくても、案件ソウゾウの練習はできます。ただし、経験がない段階で何でも大きく請け負おうとするのはおすすめしません。
「売上を必ず上げます」
「集客を全部改善できます」
といった、自分で責任を持てない約束は避ける必要があります。はじめは、自分ができる範囲で提案しましょう。
たとえば、
- 記事構成だけでなく、関連テーマを3案出す
- 記事とサービスページの導線を確認する
- インタビュー内容からFAQ案を整理する
- SNS投稿用の切り口を記事から考える
- 専門家として読者が疑問に思いそうな点を追加する
このくらいでも、十分に案件ソウゾウの入り口です。必要なのは「私はまだ実績がないから提案できない」と止まることではありません。
今できる範囲で、「依頼された作業の外側に、相手の困りごとはないか」を見る習慣をつけることです。
案件ソウゾウ力を鍛える4つの習慣


案件ソウゾウ力は、センスだけで決まるものではありません。日々のシゴトの見方を変えることで、少しずつ鍛えられます。
1.依頼を受けたら「なぜ?」を一つ増やす
「記事を書いてください」と言われたら、「なぜ記事が必要なんだろう?」まで考えます。
「Instagramを更新してほしい」と言われたら、「なぜInstagramを伸ばしたいんだろう?」と考える。一回深く掘るだけで、見えるシゴトが増えます。
2.クライアントさんの事業全体を見る
担当しているページだけではなく、
- コーポレートサイト
- 商品ページ
- SNS
- メールマガジン
- 採用ページ
- 競合
- お客さまの口コミ
なども見てみます。もちろん、勝手に何でも提案すればよいという話ではありません。まずは「この会社さんは、誰に、何を、どう届けようとしているんだろう」と観察する。これだけでも視野が広がります。
3.うまくいった事例をストックする
提案の引き出しを増やすには、他社事例を見る習慣も役立ちます。
「この会社は、なぜこの導線にしているんだろう」
「このサービスは、どこで魅力を伝えているんだろう」
「このSNSから商品ページへどう誘導しているんだろう」
と考えながら見る。単に真似するのではなく、「なぜこの施策が必要だったのか」を考えるのがポイントです。
いざ提案するときに、「似た課題をこう解決している事例があります」と説明できれば、クライアントさんも未来を想像しやすくなります。
4.提案したらフィードバックをもらう
案件ソウゾウ力は、頭の中だけで鍛え続けるのが難しい力でもあります。
実際に提案し、
「そこは今困っていない」
「それより、こっちを何とかしたい」
「その案は面白い」
という反応をもらう。すると、相手を見る精度が少しずつ上がります。自分一人では思いつかなかった視点を持つ人と壁打ちすることも有効です。
シゴトを創る力は、知識を増やしただけでは身につきません。考えて、提案して、反応をもらい、また考える。この繰り返しが必要です。



FUNADE講師 中道麻智子の考え方
FUNADEでは、ライターの価値は「文章を書けるか」だけで決まるとは考えていません。
専門性があるだけでも、ライティングスキルをたくさん持っているだけでも、それだけでシゴトになるとは限らないからです。
大事なのは、自分が持っている経験・資格・専門性・コトバの力を、「今、目の前の相手に何が必要なのか」と結びつけること。
薬剤師だから価値がある、SEOができるから価値がある、ではありません。
薬剤師として知っていることを、誰のどんな悩みに使えるのか。
SEOの知識を、クライアントさんが目指す未来のためにどう使えるのか。
そこまで変換できたとき、経験やスキルはシゴトとしての価値になります。
そして、考えただけでは変わりません。
小さくても提案する。実践する。フィードバックを受ける。実績にする。
この往復によって、「書ける人」から「この人に相談したい」と思われる人へ少しずつ変わっていけます。
AI時代ほど「何を書くかの前」を考えられるライターが必要になる
AIの進化によって、正しく分かりやすい文章を創るハードルは下がっています。だからといって、ライターのシゴトがすべてなくなるという話ではありません。
むしろ重要になるのは、
「誰に、何を、どう伝える必要があるのか」
「そもそも、今どんな課題を解決すべきなのか」
を考える部分です。
文章を生成する前には、
- クライアントさんが本当に伝えたいことを引き出す
- 読み手の深い悩みを知る
- 商品やサービス独自の強みを見つける
- どんな順番なら伝わるかを考える
- どのコトバならニュアンスまで届くかを選ぶ
という工程があります。
ここが曖昧なままAIへ「記事を書いて」と依頼しても、それらしい文章は出ても、その会社、その商品、その読み手だからこそ必要な内容にはなりにくい。
案件ソウゾウも同じです。「何を書けばいいか」ではなく、「今、この人には何が必要か」から考える。AI時代だからこそ、この視点を持てるライターの役割は広がっていきます。
看護師経験×ヒアリング力から、新しいシゴトを創った事例


FUNADE | B&Hライター養成講座の受講生である高松陽子さんは、看護師・治験コーディネーターとして医療業界で11年働いた後、未経験からセールスライターとして活動を始めました。
現在受けているシゴトの多くは、クリニックの広告や医療機関のWebサイトなどの医療系案件です。ここで活きているのが、単に「看護師資格を持っている」という事実ではありません。
高松さんは医療知識があるからこそ、専門的になりやすいドクターの話から本当に伝えたいことを汲み取り、患者さんに伝わるコトバへ変換できます。疾患についての前提知識があるため、ドクターとのコミュニケーションもスムーズです。
つまり、「看護師だから医療記事を書けます」ではなく、「医療現場を知っているからこそ、医療者と患者さんの間に入って、伝わる形へ変換できる」ところまで、自分の専門性を価値へ変えているわけです。
案件ソウゾウにつながっている深いヒアリング
さらに、高松さんが案件ソウゾウにつながっていると話すのが「深いヒアリング」です。クライアントさんの相談を聞いていると、話し終わるころに「自分でも気づいていなかった本音に気づけました」と言われることがあるそうです。
ここは案件ソウゾウを考えるうえで、とても大事なポイントです。
クライアントさんが最初から、「うちにはこの課題があるので、この施策をお願いします」と、正確に課題を整理できているとは限りません。
「集客がうまくいかない」
「商品の魅力が伝わらない」
「Webサイトを何とかしたい」
という漠然とした相談の奥に、別の課題が隠れていることもあります。
そこで、
「なぜ、そう感じているんですか?」
「今はどんな状態なんでしょう?」
「本当はどうなれば理想ですか?」
と話を深く聞いていく。すると、相手もまだコトバにできていなかった悩みが見えてきます。
リサーチを「書くため」だけでなく「提案するため」に使う
高松さんの事例でもう一つ参考になるのが、リサーチの使い方です。リサーチした内容をまとめる「コンセプトシート」を経営者さんへ見せたことで、「ここまで詳しくリサーチして考えてくれるなら」と評価され、テストライティングなしで20万円を超える案件の受注につながりました。
ここでも、単純に文章力だけが評価されたわけではありません。相手のことを調べ、考え、「この人なら自分たちのことを理解したうえでシゴトをしてくれそう」と感じてもらえたことが大きいでしょう。
ライターのリサーチというと、「記事を書くために情報を集めるもの」と考えがちです。でも、案件ソウゾウの視点を持つなら、リサーチの目的はそれだけではありません。
クライアントさんの事業を知る。
お客さまを知る。
今どこに課題がありそうなのかを考える。
そして、「自分ならどこで力になれそうか」を探す。
そう考えると、同じリサーチでも見えるものが変わります。案件ソウゾウ力を身につけたいなら、「何を書けばいいか」を調べるだけではなく、「このクライアントさんは、本当は何に困っているんだろう?」という視点でも情報を見ることが大切です。
高松さんに事例については、「理学療法士から独立し、コトバツカイへ!趣味の「小説」を武器に30万円の案件を獲得できた理由【B&Hライター養成講座 受講生インタビュー】」もご参考ください。
「書く人」から広報パートナーへ。相手の悩みからシゴトを広げた事例


FUNADE | B&Hライター養成講座の卒業生である千葉さんは、8年間の専業主婦を経てライターとして活動を始め、現在は事業主さんの「広報パートナー」として継続的にシゴトをしています。
文章制作にとどまらず、必要なシゴトへ役割を広げる
千葉さんが担当しているのは、文章制作だけではありません。SNS運用を中心に、企画や動画編集、現場での撮影など、クライアントさんに必要なことへ少しずつシゴトの範囲を広げています。
ここでポイントになるのが、「ライターだから文章を書く」と自分の役割を限定していないことです。千葉さんが大切にしているのは、「誰のために、どんなふうに役に立ちたいか」「その人の悩みをどう解決できるか」という視点です。
クライアントさんから言われたものをそのまま創るのではなく、一緒に考えながら、必要な企画や制作物を形にしています。
「自分にできること」ではなく「相手に必要なこと」から考える
これは、案件ソウゾウの考え方そのものです。「記事を書けます」「SNS投稿を創れます」と、自分ができることからシゴトを考えるのではありません。
目の前のクライアントさんが何を目指していて、そのために何が必要なのかを考える。その結果、文章だけでなく企画や撮影、動画なども必要であれば、自分が力になれる範囲を広げていく。
案件ソウゾウ力が身につくと、「依頼されたものを書く人」から、「この人と一緒に考えたい」と相談されるパートナーへ、シゴトの立ち位置そのものを変えていくことができます。
千葉さんに事例については、「【卒業生インタビュー】8年間の専業主婦から、クライアントと「二人三脚」で歩むセールスライターへ」もご参考ください。
「キーワードをもらって書く」から、方向性を提案するライターになった事例


FUNADE | B&Hライター養成講座の受講生である水沢ちえさんは、もともと美容・健康分野のSEOライターとして活動していました。当時は文字単価での受注が中心で、一番高くても1.5円。現在は、1案件30万円ほどの依頼や、10万〜20万円の案件も受けています。
クライアントさんの目的から「何を創るか」を考える
水沢さん自身が、単価が上がった大きな理由として挙げているのが、「ただキーワードをもらって書く作業者」から抜け出したことです。
現在は、依頼された内容をそのまま書き始めるのではなく、クライアントさんと打ち合わせをして目的を確認し、「こういう方向性はどうですか?」と提案してから制作を進めています。美容・健康分野だけに自分を限定せず、さまざまな事例をもとに「自分ならどうするか」と考える経験を重ねたことで、提案できる範囲も広がっていきました。
「文字数」ではなく「提供する価値」でシゴトを考える
この変化は、案件ソウゾウにもつながっています。
「5,000文字の記事を書く」という作業だけでシゴトを捉えるのではなく、「クライアントさんは何を実現したいのか」「そのためには、どんな方向性やコンテンツが必要なのか」まで考える。
その結果、水沢さんはSEO記事でも文字単価ではなく、約5,000文字の記事を1記事4万円のプロジェクトとして受けられるようになっています。
案件ソウゾウでは、何か特別なサービスをゼロから考える必要はありません。まずは依頼の背景にある目的を聞き、「もっとこうしたほうが目的に近づけるのでは?」と一歩踏み込んで考える。それだけでも、「書く作業」から「価値を提案するシゴト」へ変えていくことができます。
水沢さんに事例については、「【受講生インタビュー】文字単価1.5円SEOライターから単価30万円の案件も頂けるように!「薬機法の壁」を越え、シゴトが楽しくなった理由」もご参考ください。
案件ソウゾウについてよくある質問
- ライターの案件ソウゾウ力とは何ですか?
-
案件ソウゾウ力とは、募集されている案件を獲得するだけではなく、クライアントさんの悩みや目標を理解し、その解決に必要なシゴトを自分から考えて提案する力です。
「記事を書けます」とスキルを売るのではなく、「この課題なら、記事と導線を改善することで解決に近づけそうです」のように、相手の目的から逆算します。
まずは現在関わっているクライアントさんについて、「この依頼は何のために必要なのか?」と一段深く考えるところから始めてみてください。
- ライターが単価を上げるには何をすればいいですか?
-
単価アップには、スキルを高める、専門性を持つ、単価交渉をする、高単価案件へ応募するなど複数の方法があります。
その中の一つが、担当する範囲を「記事を書く」から「相手の課題を解決する」へ広げることです。
たとえば記事制作だけでなく、企画、ヒアリング、導線改善、コンテンツ設計などまで関われれば、提供できる価値も変わります。
ただし、経験のない領域まで無理に請け負う必要はありません。今できる範囲から少しずつ広げていきましょう。
- 案件ソウゾウと案件獲得は何が違いますか?
-
案件獲得は、すでに募集されているシゴトへ応募したり、営業したりして契約につなげる活動です。
一方、案件ソウゾウは、まだ明確な募集になっていない課題を見つけ、「こういうシゴトが必要ではないですか」と提案することです。
案件獲得では募集条件の中で比較されやすいのに対し、案件ソウゾウでは自分からシゴトの形を考えられるため、単純な文字単価の比較から離れやすくなります。
- クライアントさんの悩みはどうやって見つけますか?
-
一番確実なのは、話を聞くことです。
「今、一番困っていることは何ですか?」
「この施策をやる目的は何ですか?」
「理想としては、半年後にどうなっていたいですか?」といった質問から、表面的な依頼の奥にある悩みを探ります。
さらにWebサイト、SNS、お客さまの声、競合などを確認すると、本人がまだ明確にコトバにできていない課題が見えてくることもあります。
- ライターがクライアントさんへ提案するときは何を提案すればいいですか?
-
「自分ができること」ではなく、「相手のゴールと現状の差を埋めるもの」を提案してください。
たとえば問い合わせを増やしたいのに記事からサービスページへ移動する導線がなければ、CTA改善や関連記事設計が候補になります。
商品の魅力が伝わっていないのであれば、インタビューやサービスページ改善が必要かもしれません。
提案内容を先に決めず、ゴール→現状→課題→必要な施策の順番で考えると整理しやすくなります。
- 実績が少ないライターでも案件ソウゾウはできますか?
-
できます。ただし、自分が責任を持てる範囲から始めることが大切です。
大きな売上改善を約束するのではなく、関連記事の提案、FAQ案の整理、記事からSNSへの展開など、現在のスキルで対応できる提案を考えてみてください。
実績が少ない時期ほど、「提案して反応を見る」という経験自体が学びになります。
- 提案すると押し売りだと思われませんか?
-
自分が売りたいサービスから話を始めると、押し売りに感じられる可能性があります。
一方で、「以前お話しされていた〇〇の課題について、こういう方法もありそうです。必要であれば案を整理します」と、相手の悩みを起点にすれば、提案は選択肢の共有になります。
断れる余白を残し、相手の優先順位を尊重することも大切です。
- AI時代に単価が上がるライターにはどんな力が必要ですか?
-
文章を生成する力だけではなく、相手の悩みを聞く力、情報を整理する力、読み手を理解する力、適切なコトバへ変換する力、そして必要なシゴトを提案する力がより大切になります。
AIを使うか使わないかだけで考えるのではなく、「何をAIへ渡せばよいのかを考えられる人」になることがポイントです。
案件ソウゾウ力も、その一つです。
まとめ|高単価案件を探す前に「今の相手に何ができるか」を考えてみよう
ライターの単価を上げようとすると、「もっと高い案件を探す」という発想になりがちです。それも一つの方法です。ですが、シゴトは募集されているものだけではありません。
目の前のクライアントさんが何を目指しているのか。
何に困っているのか。
その課題に対して、自分の経験や専門性、コトバの力をどう使えるのか。
ここを考えると、自分から創れるシゴトが見えてきます。今日、やってほしいことは一つです。今関わっているクライアントさんを一社だけ思い浮かべてください。
そして、「この会社さんは、今、本当は何に困っているんだろう?」と考えてみる。答えが分からなければ、次の打ち合わせで聞いてみる。そこからで十分です。案件ソウゾウ力は、特別な人だけが持つ営業センスではありません。
相手を見る。
考える。
提案する。
実践する。
その繰り返しで少しずつ育てていける力です。
「書いてください」と言われたものを書くところから、もう一歩先へ。「それなら、こんなシゴトができるかもしれません」と言えるようになることが、ライターとしてシゴトの幅を広げる一つのFUNADEになります。
なお、セールスライティング、薬機法、提案力、案件ソウゾウ力を掛け合わせ、収入に繋げる働き方“コトバツカイ”について詳しく知りたい方は「AI時代に求められ続ける新しい職業「コトバツカイ」とは」をご覧ください。
案件ソウゾウ力を身につけ、経験や知識をシゴトとして必要とされる価値へ変えたい方へ


「自分にも案件ソウゾウができるかも」と感じたら、まずは今日、クライアントさん一社について課題を考えてみてください。
そして、自分一人では課題の見つけ方や提案への落とし込みが難しいと感じたら、ヒアリングや提案、コトバの使いこなし方を体系的に学び、実際のシゴトで試していく方法もあります。
FUNADE | B&Hライター養成講座では、ライティングスキルだけを増やすのではなく、自分の経験や強みをクライアントさんの課題と結びつけ、シゴトとして形にしていくための実践にも取り組んでいます。
興味があれば、まずは講座の考え方や内容を確認し、自分が目指す働き方と合うかを見てみてください。



