「薬剤師の資格を活かしながら、自宅でできるシゴトはないだろうか」そう考えて在宅ワークを探すと、データ入力や事務、一般的なWebライターなど、薬剤師でなくてもできるシゴトが多く出てきます。
もちろん、そうした働き方を選ぶのも一つです。ただ、薬剤師には薬学の知識だけでなく、患者さんへの説明、医師や看護師との連携、服薬指導、医薬品情報の確認など、これまで現場で積み重ねてきたものがあります。
せっかく在宅で働くなら、その経験まで含めて価値に変える方法を考えてみてください。
薬剤師ができる在宅ワークには、医療ライター、記事監修、医療コンテンツ制作、オンライン服薬指導などがあります。大切なのは、「薬剤師資格を持っていること」で終わらず、その資格と経験を使って、誰のどんな課題を解決できるかまで考えることです。
この記事では、薬剤師が取り組める在宅ワーク7つと、実際にシゴトへつなげる方法を紹介します。
薬剤師ができる在宅ワークは大きく2種類ある
薬剤師向けの在宅ワークを探すときは、まず働き方を分けて考えると整理しやすくなります。
一つは、薬局や医療・ヘルスケア企業などに所属しながら、一部または全部を自宅で行う「雇用型」の働き方です。もう一つは、自分で案件を獲得して働く「業務委託・フリーランス型」です。
| 在宅ワーク | 働き方の例 |
| 薬剤師ライター | 業務委託 |
| 医療記事の監修・ファクトチェック | 業務委託 |
| 医療・ヘルスケア企業のコンテンツ制作 | 雇用・業務委託 |
| DI・学術関連業務 | 雇用・業務委託 |
| オンライン服薬指導 | 主に雇用 |
| オンライン講師・教材制作 | 業務委託 |
| 医療分野のSNS・オウンドメディア支援 | 業務委託 |
ただし、「在宅可」と書かれていても、完全在宅とは限りません。出社日が設定されていたり、勤務時間が固定されていたりするケースもあります。
自宅で働けるかどうかだけではなく、時間の自由度、収入の安定性、自分の経験をどこまで活かせるかまで比較して選ぶ必要があります。
薬剤師ができる在宅ワーク7選

1.薬剤師ライター
薬剤師と相性がよい在宅ワークの一つが薬剤師ライターです。医薬品、疾患、健康、美容、介護などについて、Web記事や企業コンテンツを制作します。
薬剤師の場合、薬について調べられるだけではなく、
- 患者さんがどこで疑問を持ちやすいか
- 専門用語をどう言い換えれば伝わるか
- 医療従事者と一般の人では必要な情報がどう違うか
- 誤解を招きやすい表現は何か
といった現場感覚も活かせます。
たとえば、調剤薬局で生活習慣病患者への服薬指導を多く経験してきた薬剤師なら、「薬に詳しいライター」よりも、「生活習慣病患者の疑問を理解し、一般向けに分かりやすく伝えられるライター」としたほうが、価値は具体的になります。
薬剤師ライターについては「薬剤師ライターとは?シゴト内容・なり方・収入・案件獲得まで解説」もご参考ください。
2.医療記事の監修・ファクトチェック
自分で記事を書くのではなく、すでに制作された医療記事の内容を確認するシゴトもあります。医薬品に関する記載に誤りがないか、出典と本文の内容が合っているか、読者に誤解を与える表現になっていないかなどをチェックします。
病院や薬局で日常的に医薬品情報を確認してきた経験は、この領域でも活かせます。ただし、単に「間違いを見つける人」になるだけでは価値が限定されます。「なぜこの表現では誤解されるのか」「どのように直せば一般の人にも正確に伝わるのか」まで提案できると、関われる範囲が広がります。
中道麻智子FUNADE講師 中道麻智子の考え方
資格は、それだけで価値になるわけではありません。
薬剤師免許を持っている人は、ほかにもいます。依頼者が知りたいのは「資格を持っています」ではなく、「あなたに頼むと何を解決してもらえるのか」です。
FUNADEでは、自分が持っている経験や専門性を、「誰の、どんな悩みを解決できるか」へ変換することを重視しています。
提案でも経歴を並べるのではなく、相手に何を提供できるかから考えることが大切です。
3.医療・ヘルスケア企業のコンテンツ制作
製薬会社や医療関連企業、ヘルスケアサービスなどでは、Webサイト、資料、メール、患者向けコンテンツなど、さまざまなコトバが必要になります。ここでは「記事を書く」という枠を超えて考えてみてください。
たとえば、
「専門家には伝わるが、一般の人には分かりづらい説明を整理する」
「商品の特徴を理解し、読者に伝わる表現へ変える」
といった役割もあります。これからは完成原稿を書く作業だけでなく、「何を伝えるべきか」を見つける部分にも価値があります。
4.DI・学術関連の業務
医薬品情報を調査・整理したり、資料を制作したりするDI・学術関連業務でも、在宅勤務や業務委託という形が考えられます。
特に、
- 文献検索
- 医薬品情報の整理
- 医療従事者向け資料の制作
- 資料のチェック
などは、薬剤師の専門知識との親和性が高い領域です。
病院や薬局で「必要な情報を探し、根拠を確認し、相手に合わせて説明する」という経験を積んできた人なら、そのプロセス自体が強みになります。
5.オンライン服薬指導
勤務する薬局などの体制によっては、オンラインで患者さんへの服薬指導に関わる働き方もあります。これは、ライターのようなフリーランス型とは性質が異なります。
「自分で案件を探して好きな時間に働く」というより、薬局などの勤務条件の中で在宅勤務をするイメージに近いでしょう。そのため、薬剤師業務そのものを続けながら自宅で働きたい人と、別のシゴトを創りたい人では、選択が変わります。
6.オンライン講師・医療教材の制作
新人薬剤師、登録販売者、医療系学生、一般消費者などに向けて、オンライン講座や教材を制作する方法もあります。ここで役立つのは、知識量だけではありません。
日々の服薬指導で、
「この説明では伝わらなかった」
「こう例えると理解してもらえた」
という経験を積んできた人には、すでに「専門知識を相手に合わせて変換する力」があります。これは教育コンテンツ制作でも使える力です。
7.医療・健康分野のSNSやオウンドメディア支援
もう一つ考えられるのが、医療機関やヘルスケア企業の情報発信を支援するシゴトです。記事だけでなく、SNS投稿、メール、患者向け資料、商品紹介などへ範囲を広げられます。
ここで求められるのは、「薬について正しく書けること」だけではありません。誰に向けた発信なのかを考え、その人が知りたい情報を選び、伝わるコトバへ変える必要があります。
特定のライティング手法だけを学ぶのではなく、「誰に、何を、どう伝えるか」というコトバの使いこなし方を身につけることで、SNSや広告、コンテンツ制作などへシゴトを広げられます。
在宅ワークを探す前に「自分は何を提供できるか」を整理する
ここまで7つ紹介しましたが、いきなり求人サイトを開く必要はありません。先に、自分の棚卸しをしてみてください。
紙やメモを用意して、次の3つを書き出します。
- これまで担当してきた業務
- 人より詳しく説明できるテーマ
- その経験によって解決できそうな相手の悩み
たとえば、「調剤薬局5年」だけでは、まだ経歴です。
そこから、
「高齢患者への服薬指導を多く経験した」
↓
「専門用語を使わずに薬を説明できる」
↓
「高齢者や家族向けの医療コンテンツ制作に活かせる」
まで変換します。
病院薬剤師なら、
「抗がん剤について勉強してきた」
↓
「患者さんが治療中に何を不安に感じるかを知っている」
↓
「患者向けコンテンツや医療記事で、必要な情報を整理できる」
と考えられるかもしれません。
自分の経験からシゴトの種を探す、ということです。



FUNADE講師 中道麻智子の考え方
「薬剤師×ライター」のように肩書きを組み合わせただけでは、まだ差別化にはなりません。
考えたいのは、薬剤師として何を見てきたのか、誰と関わってきたのか、何ならほかの人より深く説明できるのかです。
自分がすでに持っているものを、新しく学ぶスキルと結びつけることで、独自のポジションは創れます。
薬剤師が在宅ワークをシゴトにつなげる3ステップ


ステップ1.一つの領域を決める
最初から「医療なら何でも書けます」と広げすぎないことです。
まずは、
「薬局経験を活かして一般向けの医薬品記事を書く」
「病院経験を活かして医療従事者向けコンテンツを制作する」
など、入り口を一つ決めます。
ステップ2.実力を見せられるものを創る
実績がないなら、待つのではなく自分でサンプルを創ります。薬剤師ライターなら、実際の依頼を想定した記事を1〜2本制作します。
プロフィールに「薬剤師です」と書くだけでは、依頼者は文章力や説明力を判断できません。「この人なら頼めそう」と判断できる材料を用意することが必要です。
制作見本の創り方については、「実績なしからライターとして有料案件を獲得する方法|制作見本の創り方を解説」もご参考ください。
ステップ3.経歴ではなく提供価値を伝える
案件へ応募するときによくあるのが、「薬剤師歴10年です。医療知識があります。丁寧に執筆します」という提案です。
これでは、依頼者からすると「それで、何をしてもらえるのか」が見えません。たとえば、「調剤薬局での服薬指導経験を活かし、専門知識を一般読者が理解できる表現へ変換します」と伝えれば、提供価値が具体的になります。
提案は「自分が何をしてきたか」だけでなく、「依頼するとどんな状態を目指せるのか」から逆算することがポイントです。依頼者側の立場に立ち、ゴールから提案を組み立てる考え方が重要です。
シゴト獲得方法については 、「ライターの単価アップにつながる「案件ソウゾウ力」とは?シゴトを創る5ステップ」もご参考ください。
「在宅でできるシゴト」だけを探さない
薬剤師が在宅ワークを始めるときに、少しもったいないのが「在宅」「未経験可」という条件だけで探してしまうことです。その探し方では、薬剤師でなくてもできるシゴトと同じ場所で比較されやすくなります。
薬剤師として積み重ねてきた経験があるなら、「自宅でできるシゴトは何か」だけでなく、「自分の専門性を必要としているのは誰か」からも考えてみてください。
薬剤師ライターは、その入り口の一つです。
ただし、記事を書くだけで終わる必要もありません。医療知識と、読み手を理解する力、伝わるコトバへ変える力を組み合わせれば、監修、コンテンツ制作、SNS、広告などへ関わる範囲を広げられます。
AIが文章を生成できる時代だからこそ、専門家として情報を見極め、相手から必要な情報を引き出し、「何を伝えるべきか」を判断する部分の価値を考える必要があります。
薬剤師ライターのシゴトについては、「薬剤師ライターのシゴトは何がある?仕事内容と資格・経験を案件につなげる方法」もご参考ください。
【薬剤師ライターの事例】資格を持っているだけではなく、専門性をシゴトへ変えた佐藤さん


FUNADE | B&Hライター養成講座の受講生・佐藤さんは、薬剤師として働きながらWebライターとして活動していました。文字単価0.1円程度の案件からスタートし、経験を積んだものの、文字単価1.5円ほどで頭打ちに。講座受講前のライター収入は、多い月でも2万円程度でした。
当時は薬剤師経験を十分に活かせる記事ばかりではなく、「もっと自分の得意を活かしたい」「薬剤師としての知識を、より多くの人に役立てたい」と感じていたそうです。
薬剤師の専門性に、薬機法とセールスライティングを掛け合わせた
そこで佐藤さんが取り組んだのが、薬剤師としての専門性に、薬機法やセールスライティングを掛け合わせることでした。
単に医療情報を正しく書くだけではなく、「読み手は何を求めているのか」「どう伝えれば届くのか」まで考えるようになり、SEO記事だけでなく、広告やランディングページなどにも活かせる力を身につけていきました。
自分から提案し、小さな実績を次のシゴトへつなげた
佐藤さんは、学ぶだけで終わらず、「自分には何ができるのか」を周囲へ伝え、リアルなつながりからモニター案件を獲得しました。
そこで創った実績をもとに企業案件にも挑戦し、小さな実績を次の提案材料へ変えながら、シゴトの幅を広げていきました。
約6カ月で月10万円程度に。書く量ではなく、提供できる価値を広げた
その結果、講座受講前は月2万円程度だったライター収入が、約6カ月で月10万円程度に。しかも、シゴトの数や稼働時間はむしろ減り、家族との時間も取りやすくなったそうです。
もちろん、これは佐藤さん個人の事例です。ただ、「収入を増やす=書く量を増やす」だけではないことが分かります。シゴトの幅を広げられたのは、「薬剤師だから」ではありません。薬剤師としての専門知識に、薬機法、読み手理解、セールスライティング、提案力を掛け合わせたことで、依頼者へ提供できる価値が広がったということです。
薬剤師経験をライターのシゴトへ変えたいなら、「何を知っているか」だけでなく、「その専門性を誰のために、どんな形で使えるか」まで考えてみることが大切です。
佐藤さんの事例については、
「月2万円しか稼げなかった複業Webライターが、作業量は減ったのに6カ月で月収5倍を達成!オフラインでシゴトをザクザク獲得した医療広告ライターの佐藤さん【B&Hライター養成講座 受講生実績】〈前編〉
「月2万円しか稼げなかった複業Webライターが、作業量は減ったのに6カ月で月収5倍を達成!オフラインでシゴトをザクザク獲得した医療広告ライターの佐藤さん【B&Hライター養成講座 受講生実績】〈後編〉 」
もご参考にしてください。
【薬剤師ライターの事例】文字単価1円から、10万円を超えるシゴトを受注した新宮さん


FUNADE | B&Hライター養成講座の受講生・新宮さんは、病院薬剤師として11年間働きながら、副業で医療系SEO記事を書いていました。
当時は文字単価1円ほどからなかなか上がらず、構成から執筆まで担当しても、月に1万〜2万円程度。副業だったため、睡眠時間を削りながら制作することもあったそうです。
薬剤師の専門性に、別のスキルを掛け合わせた
転機になったのは、セールスライティングを身につけたことでした。
それまで中心だったSEO記事に加えて、LP、チラシ、ホームページ原稿、LINE配信文、メルマガなど、対応できるシゴトが広がりました。
さらに、薬剤師としての知識に加え、薬機法や医療広告ガイドラインを考慮した制作ができることも強みとして伝えるようになりました。
文字単価ではなく、案件単価でシゴトを受けるように
その結果、文字単価1円を基準にする働き方から、1件5万円、10万円を超える案件を受ける形へと変化しました。
また、クラウドソーシングだけではなく、先輩ライターやデザイナーからの紹介、事業者からの直接依頼など、シゴトの入口も広がっています。
新宮さんの事例から分かるのは、「薬剤師だから単価が上がった」ということではありません。
薬剤師として持っていた専門性に、セールスライティング、薬機法、提案力、営業を掛け合わせたことで、依頼者に提供できる価値が広がったということです。
薬剤師経験をライターのシゴトへ変えたいなら、「自分は何を知っているか」だけでなく、「その専門性に何を掛け合わせれば、誰の役に立てるか」まで考えてみると、自分なりの強みが見えてきます。
新宮さんの事例については、YouTube動画「文字単価1円SEOライターからセールスライターになり、10万円を超える仕事もいただけるようになりました!【B&Hライター養成講座 受講生実績】もご参考にしてください。
まとめ 薬剤師の経験を在宅ワークという新しいシゴトへ変えよう
薬剤師ができる在宅ワークには、医療ライター、医療記事の監修、コンテンツ制作、DI・学術関連業務、オンライン服薬指導、オンライン講師、SNS・オウンドメディア支援などがあります。
ただ、「在宅で働ければ何でもいい」と探す前に、一度自分の経験を棚卸ししてみてください。
薬剤師として何を経験してきたのか。
どんな患者さんと向き合ってきたのか。
どんなテーマなら、人より深く説明できるのか。
そして、それが「誰の、どんな悩みを解決できるのか」まで考えてみます。薬剤師資格は、シゴトそのものではありません。資格、現場経験、専門知識に、ライティングや提案する力を組み合わせてはじめて、自分ならではのシゴトへ変わっていきます。
なお、薬剤師の資格にセールスライティング、薬機法、提案力、営業を掛け合わせ、収入に繋げる働き方“コトバツカイ”について詳しく知りたい方は「AI時代に求められ続ける新しい職業「コトバツカイ」とは」をご覧ください。
薬剤師経験を、シゴトとして必要とされる価値へ変えたい方へ


FUNADEでは、書く力だけでなく、リサーチ・ヒアリング・制作・提案まで、薬剤師の資格を活かしながら実際にシゴトへつなげるところを重視しています。
まずはFUNADEの関連コンテンツを読みながら、自分の経験を棚卸しするところから始めてみてください。さらに体系的に学び、制作へのフィードバックを受けながら実践したい場合は、B&Hライター養成講座の情報も無料体験ウェビナーで確認できます。



