理学療法士が副業を始めるなら、単に「空いた時間でできるシゴト」を探すだけではもったいありません。理学療法士には、身体・疾患・動作についての専門知識だけでなく、患者さんの状態を観察する力、専門的な内容を分かりやすく説明する力、多職種と連携する力などがあります。これらは、病院や施設の外でも価値になります。
副業の選択肢としては、非常勤の理学療法士、健康づくり・介護予防の指導、講師、Webライター、記事監修、SNS・コンテンツ制作などがあります。
大切なのは「理学療法士だから何ができるか」だけで考えないことです。自分の理学療法士としての経験を、誰のどんな悩みを解決するために使えるのか。
ここまで考えると、副業は単なる収入源ではなく、今後のキャリアにつながるシゴトになっていきます。
理学療法士は副業ができる?
理学療法士だから副業が禁止されているわけではありません。厚生労働省も副業・兼業に関するガイドラインを公開しており、企業と働く人が副業・兼業に取り組むための環境整備を進めています。勤務先によって届出やルールが異なるため、実際に始める前には就業規則を確認しておきましょう。
もう一つ確認しておきたいのが、「理学療法士として何を提供するか」です。
理学療法士及び作業療法士法では、理学療法士は厚生労働大臣の免許を受け、医師の指示の下で理学療法を行う者と定義されています。
一方、厚生労働省は、介護予防事業などで身体に障害のない人へ転倒防止の指導などを行う場合、診療の補助に当たらない範囲であれば「理学療法士」の名称を使用でき、医師の指示も不要としています。
つまり、「理学療法士だから何でも個人で治療できる」と考えるのは避ける必要がありますが、資格や経験を活かせるシゴトそのものは幅広く考えられます。
理学療法士におすすめの副業7選

副業を選ぶときは、目先の報酬だけでなく、「今持っている経験を活かせるか」「別のスキルが身につくか」「将来的にシゴトの幅が広がるか」も見てみてください。
1.非常勤・スポット勤務の理学療法士
もっとも分かりやすいのは、病院、介護施設、訪問系サービスなどで本業とは別に働く方法です。すでに持っている資格と臨床経験をそのまま活かしやすく、新しい分野の経験を積めるメリットもあります。
一方で、本業と同じく時間を提供して報酬を得る形になりやすいため、「在宅で働きたい」「将来的に別のキャリアも持ちたい」という目的なら、ほかの副業も検討したいところです。
2.介護予防・健康づくりの指導
自治体や企業、地域団体などを対象に、転倒予防、運動習慣、身体の使い方といったテーマを伝える方法もあります。
たとえば、臨床現場で高齢者を多く担当してきた人なら、「高齢者の転倒を防ぐために家族が知っておきたいこと」を一般向けに伝えることもできます。
ここで価値になるのは、解剖学の知識を持っていることだけではありません。「専門知識のない人にも理解でき、実際の生活で使える形に変えられること」が価値になります。
3.セミナー・研修講師
得意分野が明確なら、医療・介護職向けの研修やセミナーも考えられます。
たとえば、
- 新人向けの評価の考え方
- 高齢者とのコミュニケーション
- 特定疾患のリハビリテーション
- 後輩指導やチーム連携
など、自分が現場で何度も経験してきたテーマです。ポイントは、「理学療法士歴10年です」と伝えるだけではシゴトにならないこと。
「新人理学療法士が評価で迷わないための考え方を教えられる」のように、誰のどんな課題を解決できるかまで変換する必要があります。
中道麻智子FUNADE講師 中道麻智子の考え方
経験や資格は、そのままでは価値ではありません。
10年間臨床を経験していても、依頼者から見れば「それによって何をお願いできるのか」が分からなければ、シゴトにはつながりません。
「整形外科を経験した」ではなく、「運動器領域の知識を使って、一般の人にも誤解なく伝わるコンテンツを創れる」のように、自分が持っているものを相手にとっての価値へ翻訳することが必要です。
4.理学療法士ライター
在宅でできる副業を探している理学療法士なら、ライターも選択肢になります。理学療法士は、リハビリテーション、介護、運動、ヘルスケアなど、自分の専門知識と相性のよい分野があります。
ただし、「理学療法士資格があります」だけでは十分ではありません。
依頼者が求めているのは資格そのものではなく、
「専門的な内容を正確に調べられる」
「読者に合わせて分かりやすく説明できる」
「専門職だからこそ分かる現場の視点を盛り込める」
といった価値だからです。
たとえば「脳卒中のリハビリについて書けます」よりも、「患者さんや家族が退院後に困りやすい点を臨床経験から理解したうえで、一般向けの記事へ落とし込めます」と伝えたほうが、依頼する理由は明確になります。
理学療法士ライターについては「理学療法士がライターになるには?未経験から資格・臨床経験を活かす始め方」もご参考ください。
5.医療・ヘルスケア記事の監修
執筆ではなく、記事の内容を専門家として確認する監修もあります。
運動やリハビリテーションについての記事で、
「専門的に誤解のある表現がないか」
「一般の読者が誤った行動をしない内容になっているか」
などを確認する役割です。
ただ名前を貸すのではなく、必要に応じて修正理由まで説明できると、提供できる価値は上がります。
ライティングを学んでおけば、「ここは間違っています」と指摘するだけではなく、「読者にはこの表現のほうが正確に伝わります」と提案できるため、執筆・監修の両方へシゴトを広げやすくなります。
6.SNS・動画・コンテンツ制作
理学療法士の知識は、記事だけで使う必要はありません。医療機関や介護施設、ヘルスケア企業などが発信する、
- Instagram投稿
- YouTube台本
- メルマガ
- 患者さん向け資料
- 採用コンテンツ
などにも活かせます。
ここでも必要なのは「正しい情報を出す力」だけではありません。
誰に届けるのかを考え、専門的な情報を相手に届くコトバへ変える力が必要です。単一のライティング技術だけではなく、相手を理解し、何をどう伝えるかを考える力がシゴトの幅につながります。



FUNADE講師 中道麻智子の考え方
副業を「Webライターになる」「SNS運用をする」と職種名から決めると、自分の可能性を狭めてしまうことがあります。
先に見るのは職種ではなく、相手の困りごとです。
たとえば、クリニックが「専門的な情報を発信したいけれど、患者さんに伝わる文章にできない」と困っているなら、記事、SNS、動画台本のどれを創るかは手段にすぎません。
相手の課題からシゴトを考える。ここまでいくと、副業の選択肢は広がります。
7.「理学療法士×自分の得意」を組み合わせたシゴト
特に考えてほしいのが、この方法です。理学療法士以外に、自分が持っているものを書き出してみてください。
たとえば、
「理学療法士×子育て」
「理学療法士×スポーツ」
「理学療法士×介護」
「理学療法士×SNS」
「理学療法士×文章」
「理学療法士×創作」
といった組み合わせです。
FUNADE | B&Hライター養成講座の受講生にも、理学療法士としての経験とは別に、小説・創作という強みを持っていた方がいます。
本人は当初、小説は収入につながるものではなく、ほかのシゴトとは切り離すものだと考えていました。しかし、創作で培った「物語を創る力」と新しく身につけたスキルを組み合わせることで、自分独自の強みとして活かせるようになり、小説に関係する依頼にもつながっています。
この事例から分かるのは、「理学療法士という資格だけで勝負しなくていい」ということです。
むしろ、理学療法士として積み上げてきたもの × 自分がもともと持っているものの組み合わせに、ほかの人とは違うシゴトが生まれることがあります。
大好きな小説家の活動を活かし、1件30万円を超える依頼につながった受講生事例も、強みの掛け合わせを考える参考になります。
理学療法士が副業を始めるなら、この3ステップから考える
「結局、自分は何をすればいいのか」と迷ったら、いきなり副業サイトを探す前に次の3つを整理してみてください。
1.自分の経験を10個書き出す
資格だけではなく、
「整形外科で5年間勤務した」
「脳卒中患者さんを多く担当した」
「新人教育をしてきた」
「家族への説明が得意だった」
「資料を創るのが好きだった」
といった経験まで書き出します。
2.「誰の何を解決できるか」へ変換する
次に、それぞれの経験を相手のメリットへ変えます。「新人教育経験あり」で終わらせず、「新人理学療法士が評価の考え方を整理する研修を創れる」まで具体化します。
3.小さな実績を自分で創る
ライターなら、依頼が来るまで待つ必要はありません。
理学療法士として得意なテーマの記事を1本書き、ポートフォリオにできます。SNS運用なら、医療・介護分野の投稿案を数本創ることもできます。
実績とは「誰かから依頼されたもの」だけではありません。
自分がどんな価値を提供できるかを見せる材料を創り、それを持って提案することからシゴトは始まります。



FUNADE講師 中道麻智子の考え方
副業を始めるとき、「何を学べばシゴトが取れるか」と新しいスキルばかり探してしまう人がいます。
でも、一度自分の中を見てみてください。理学療法士になるまでに学んだこと。臨床で何百人もの患者さんと関わった経験。人に説明してきた経験。趣味や得意なこと。
ゼロから何かを足す前に、すでに持っているものを組み合わせて、誰かに必要とされる形へ変えられないか。そこから考えるのがFUNADEの副業の創り方です。
制作見本の創り方については、「実績なしからライターとして有料案件を獲得する方法|制作見本の創り方を解説」もご参考ください。
【事例】理学療法士10年からセールスライターへ。1件30万円を超える案件を受注


B&Hライター養成講座を受講した田中めぐみさんは、理学療法士として10年間働いた後、セールスライターとして独立しました。
記事だけでなく、ランディングページやチラシ制作にも挑戦
めぐみさんが取り組んだのは、医療記事だけではありません。
未経験だったランディングページやチラシなどの広告制作も学び、実際の広告を分析したり、制作見本を創って添削を受けたりしながら、ライティングの幅を広げていきました。
その後、独立して約3か月で1件30万円を超える案件を受注しています。
案件獲得につながった背景には、ライティングを学ぶだけでなく、人と会い、相手に合わせて提案する行動もありました。
理学療法士以外の経験も、強みに変わった
さらに、めぐみさんは趣味で続けていた小説の創作活動も、自分の強みとして活かしています。
もともとは「小説は趣味で、シゴトとは別」と考えていましたが、物語を創る力とセールスライティングを掛け合わせたことで、小説のリライトなどの依頼にもつながるようになりました。
この事例から分かるのは、「理学療法士からライターになる=医療記事を書く」と限定する必要はないということです。
理学療法士としての専門性に、広告ライティングや提案力、さらに自分の趣味や経験を掛け合わせることで、記事以外のシゴトにも広げられる可能性があります。
大切なのは、「何の記事を書けるか」だけではなく、「これまでの経験を、コトバを使って誰の役に立てられるか」と考えることです。
めぐみさんの事例については、「理学療法士から独立し、コトバツカイへ!趣味の「小説」を武器に30万円の案件を獲得できた理由【B&Hライター養成講座 受講生インタビュー】」もご参考にしてください。
【事例】理学療法士からライターへ。さらにランディングページ制作へシゴトを広げ、月収50〜60万円に


B&Hライター養成講座を受講したRさんは、もともと理学療法士として医療現場で働いていました。
出産を機に退職した後、フリーランスの医療系ライターへ転身。SEO記事の執筆やディレクションを行い、多い月には約50記事を制作・編集して、月40万円ほどになることもありました。
ただ、その分、毎日納品に追われる状態に。「記事数を増やして収入を上げる働き方には限界がある」と感じるようになったといいます。
SEO記事だけでなく、1本10万円のLP制作へ
そこでRさんが新たに学んだのが、LP(ランディングページ)などの広告ライティングです。
制作見本を創るだけでなく、商品や読み手について調べた内容をまとめたコンセプトシートも一緒に提案したところ、そのリサーチ力を評価され、広告制作会社とのシゴトにつながりました。
その後は1本10万円単位のLP案件や、月額40万円近い依頼も受注。月収は50〜60万円ほどで推移し、以前より時間にも余裕を持てるようになったそうです。
理学療法士の専門性を、記事だけに限定しなくていい
Rさんの事例から分かるのは、理学療法士の専門性を活かす方法は、医療系の記事を書くことだけではないということです。
Rさん自身も「薬機法管理士」の資格を取っただけではLP案件を獲得できず、広告のリサーチや制作、提案を実践することでシゴトにつなげていきました。
理学療法士として持っている医療・健康の知識に、広告ライティングやリサーチ、提案力を掛け合わせれば、記事だけでなくLPや広告などへシゴトを広げられる可能性があります。
「理学療法士だから医療記事を書く」と決めるのではなく、自分の専門性をコトバでどう活かせるかまで考えてみることが、シゴトの選択肢を広げる一歩になります。
Rさんの事例については、「【B&Hライター養成講座 受講生インタビュー】月50記事書く疲弊SEOライターが、時間に余裕を持ちながら月収60万円のセールスライターへ転身できた理由」もご参考にしてください。
【事例】理学療法士×副業ライターで月15万円。記事から広告制作へシゴトを広げたおのせさん
おのせさんは、理学療法士として働きながら、副業でWebライター・セールスライターとして活動しています。
もともとはクラウドソーシングを中心に案件を受けていましたが、文字単価0.5円ほどのシゴトも多く、使える時間をほとんど使っても月数万円ほど。「このまま続けても先が見えない」と感じていたそうです。
記事だけでなく、LPやLステップの原稿制作へ
その後、セールスライティングを学び、シゴトの幅を広げていきました。
現在は記事制作に加えて、
- LP(ランディングページ)
- Lステップの原稿
- セールス用動画の制作
などにも関わっています。
収入面でも変化があり、副業収入は月15万円を達成。記事も文字単価ではなく記事単価で受けるシゴトが中心になり、広告制作も制作物単位で契約するようになりました。
理学療法士の専門性と提案力を掛け合わせた
身につけたのは、セールスライティングだけではありません。
案件についてリサーチし、「依頼者のためにもっとできることはないか」と考えて提案するようになったことで、継続依頼にもつながっています。現在の依頼はほとんどが継続で、依頼者側から単価を上げてもらったこともあるそうです。
また、理学療法士としての専門性を活かし、整体院や接骨院など健康分野の広告制作にも強みを持っています。この事例から分かるのは、理学療法士ライターのシゴトを「医療記事を書くこと」だけに限定する必要はないということです。
専門知識に、広告ライティングやリサーチ、提案する力を掛け合わせれば、LPや販促コンテンツなどへシゴトを広げられる可能性があります。
大切なのは、文字数を増やして収入を上げることだけではありません。「自分の専門性を使って、依頼者の課題にどう貢献できるか」と考えることが、シゴトの幅を広げるきっかけになります。
おのせさんの事例については、YouTube動画の「月数万円しか稼げなかったWebライターが、複業収入15万円を達成できた理由【B&Hライター養成講座受講生実績】」もご参考にしてください
まとめ 理学療法士の資格と経験は、新しいシゴトの種になる
理学療法士ができる副業は、非常勤勤務だけではありません。
健康づくりの指導、講師、Webライター、記事監修、SNS・コンテンツ制作など、資格や臨床経験を別の形で活かす方法があります。
ただし、「理学療法士資格を持っている=シゴトになる」わけではありません。
大切なのは、
自分は何を知っているか
↓
誰のどんな悩みを理解できるか
↓
どんな形なら役に立てるか
まで考えることです。
まずは紙やメモに、「理学療法士として経験してきたこと」と「理学療法士以外に得意なこと」を10個ずつ書き出してみてください。
その組み合わせの中に、次のシゴトの種があるかもしれません。
なお、理学療法士の資格にセールスライティング、薬機法、提案力、営業を掛け合わせ、収入に繋げる働き方“コトバツカイ”について詳しく知りたい方は「AI時代に求められ続ける新しい職業「コトバツカイ」とは」をご覧ください。
理学療法士経験を、シゴトとして必要とされる価値へ変えたい方へ


FUNADEでは、書く力だけでなく、リサーチ・ヒアリング・制作・提案まで、理学療法士の資格を活かしながら実際にシゴトへつなげるところを重視しています。
まずはFUNADEの関連コンテンツを読みながら、自分の経験を棚卸しするところから始めてみてください。さらに体系的に学び、制作へのフィードバックを受けながら実践したい場合は、B&Hライター養成講座の情報も無料体験ウェビナーで確認できます。



