よくSNSで見かける「TTP」(徹底的にパクる)という言葉。
「まずはうまくいっている人の真似をした方がいい」と考えられています。
しかし江良は、そもそもこのTTPを勘違いしている人は多すぎるのではないか、と疑問を感じています。
本来、ビジネスで成果につながるのは、パクるのではなくモデリングすること。
実際に「パクられる側」を経験している江良だからこそ、「TTPの本質を見誤り、自分の首を絞めている人が多いのでは?」という疑問を持っています。
そこで今回は、なぜTTPが誤解されやすいのか、パクリとモデリングは何が違うのか、そして江良が考える「これからの時代に生き残れる人」について解説していきます
TTPが誤解されやすいのはコトバの独り歩き
TTPは本来、ただ表面を真似することではなく、「うまくいっている構造を学び、自分なりに再現する」という意味で使うほうが、ビジネスでは適しています。
しかし実際には、その本質が十分に伝わらず、「パクる」という言葉だけが独り歩きしている印象があります。
その結果、本来は学びや研究であるはずの行為が、単なるコピーとして実践されてしまうことがあります。
江良が違和感を持っているのは、まさにこの部分です。
問題は「パクる」という言葉そのものにある
勘違いされる理由のひとつが、「パクる」という言葉が独り歩きしているからです。
パクリをそのまま受け取ってしまうと、「うまくいっている人の表現や見せ方を、そのまま真似すればいい」と解釈してしまいます。
ですが、ビジネスにおいてその解釈は危険です。
たしかに最初は、誰かのやり方を参考にすることも必要です。
しかし、参考にすることと、そのまま持ってくることはまったく別の話です。
江良が問題視しているのは、「真似る」という行為そのものではなく、「真似る対象を間違えていること」が問題なのです。
本来のTTPは、表面のコピーではなく再現性の研究
江良が考えるTTPの本質は、「モデリング」にあります。
つまり、うまくいっている人のやり方を見て、その成果が出る理由や構造を理解し、自分のビジネスに合う形で取り入れることです。
モデリングは辞書では、以下のように紹介されています。
何かを手本に形を作ること。肉づけ。
三省堂国語辞典 第八版 小型版 2023年 1538ページ
この定義から考えると、モデリングとは、すでにあるものをそのまま写すことではありません。
既存の情報を手本にしながら、自分なりに形を作り、自分のビジネスに合うように肉づけしていくことです。
だからこそ江良は、TTPよりも「TTM(徹底的にモデリングする)」という考え方のほうが、現状だと合っているのではないかと考えています。
パクリとモデリングは何が違うのか
それでは、パクリとモデリングは具体的に何が違うのでしょうか。
ここでは、デザイン講座を例に考えてみます。
パクリは“文字面”や“表現”をそのまま持ってくること
たとえばデザイン講座を売りたい人が、他のデザイン講座をリサーチしたとします。
そのときに競合調査で、コンセプトやレター、訴求の言い回しまでそのまま使ってしまうのがパクリです。
一見、違うもののように見えるかもしれません。
ですが、全体の印象が似ていれば、読む側には「何か似ている」「どこかで見たことがある」という違和感を覚えることになります。
その結果としてできあがるのは、サービス名だけ変えたようなものです。
これでは、自分のビジネスの独自性は育ちません。
モデリングは“構造”を抽象化して取り入れること
一方でモデリングは、表面ではなく構造を見ます。
つまり、「どういう順番で伝えているのか」「どの要素が相手に刺さっているのか」を抽象化して捉え、自分のビジネスに合わせて作り変えていく考え方です。
例えばデザイン講座を作るなら、同じデザイン講座だけで競合調査を終わらせるのはもったいないです。
たとえばライター養成講座や動画編集者養成講座など、別のジャンルでうまくいっている講座のコンセプトやレターを競合調査で手に入れ、分析することが可能です。
そこで大切なのは、言葉をそのまま持ってくることではなく、
「どんな悩みを入り口にしているのか」
「どうやって価値を伝えているのか」
「どんな流れで申し込みにつなげているのか」
を抜き出して考えることです。
そして、その構造を自分の講座に合わせて置き換えていきます。
ここで必要になるのが、「自分の中で解釈して、かみ砕いて考えること」です。
この工程があるからこそ、ただのコピーではなく、自分の言葉として伝えられるようになります。
同じジャンルほど、表現のコピーは危険
特に注意したいのが、同じジャンルで真似をするときです。
同じジャンルの中で表現まで似せてしまうと、どうしても比較されやすくなります。
比較されたとき、元になった側がすでに強いポジションを取っていれば、後から似たものを出した側は不利になります。
「似ている」という印象を持たれた時点で、独自性ではなく後追いに見えてしまうからです。
だからこそ、同じジャンルを参考にするとしても、最低限「構造まで」にとどめる必要があります。
表現まで持ってきてしまうと、それはモデリングではなく、ただのパクリに近づいてしまいます。
モデリングで真似るべきは「構造」である
江良がTTPに違和感を抱いているのは、真似るべき対象を間違えている人が多いからです。
本来、真似るべきなのは文章そのものではなく、文章が組み立てられている“構造”です。
では、構造を真似るとはどういうことなのでしょうか。
レターなら真似るべきは流れ
たとえばレターであれば、注目すべきなのは流れです。
「悩み→実績→お客様の声→内容紹介」といった設計を見て、その順番や役割を学ぶことがモデリングにあたります。
この流れを理解したうえで、自分のジャンルや商品に合わせて内容を組み替えていけば、表現そのものは違っていても、成果が出やすい構造を活かすことができます。
結果として、同業から「真似した」と見られる可能性も下がりますし、自分のコンセプトに合った言葉を組み立てやすくなります。
異業種の成功事例を自分の市場にスライドする視点が重要
江良が語るポイントのひとつに、「違うジャンルでうまくいっていることを、自分のジャンルにスライドさせる」という考え方があります。
これは、同業をなぞるのではなく、異業種の成功構造を自分の市場に合わせて翻訳するような作業です。
この視点を持つことで、同じ市場の中で似通った表現になることを避けやすくなります。
また、異業種の事例を見ると、自分の市場では当たり前になっていない切り口や伝え方に気づけることもあります。
その気づきが、オリジナルの発想につながることもあるでしょう。
なぜパクリでは長く生き残れないのか
パクリの問題は、「マナーが悪い」という話だけではありません。
ビジネスとして見ても、長く生き残るには不利になる可能性があります。
江良自身、パクられることはある程度仕方がないと思いつつも、実際に困ったことが起きています。
そしてそれは、パクった側にとっても決して得ではありません。
パクりすぎると“関係者”と誤認されるリスクがある
実際に江良は、あまりにも似ている発信やサービスを見た人から、「あの人は関係者なのですか?」と聞かれたことがあると語っています。
もちろん、まったく関係のない別事業者です。
しかし見た人にそう思わせてしまうほど似ていれば、パクられた側にも、パクった側にもマイナスです。
江良が否定すれば、パクった側の信用は下がってしまいます。
そして、信用が落ちた状態でビジネスを続けるのは簡単ではありません。
オリジナリティを作れない人はAI時代に埋もれる
江良は、これからの時代は特に「オリジナリティを作れない人が厳しくなる」と考えています。
たしかに、パクリを極めることで二番手、三番手として生き残る道はあるかもしれません。
けれど、それはあくまで誰かの後ろを追う立場です。
しかも今は、AIが文章のたたき台を作れる時代になっています。
整った文章を出すこと自体は、以前よりもずっと簡単になりました。だからこそ、最後に問われるのは「誰が、どんな視点で、どんな言葉を選んでいるのか」という部分になります。
江良は、「2026年4月時点では、AIの文章はまだ人の文章を超えられない」と考えています。
たたき台としては使えても、人の心を動かし、購買意欲につなげるレベルになると、まだ差があると見ているのです。
だからこそ、自分のビジネスを育てたいなら、一度立ち止まって考えてみる必要があります。
「本当に、ほかの人のパクリのままでいいのか」と。
TTPではなくTTMの発想を持つことが大切
TTPという言葉は広く知られていますが、その意味を表面的に受け取ってしまうと、学びではなくコピーに近づいてしまいます。
江良が伝えたいのは、真似ること自体を否定することではありません。真似るなら、表現ではなく構造を学ぶべきだということです。
パクリは、言葉や見せ方をそのまま持ってきます。
モデリングは、うまくいく理由を理解し、自分の市場や商品に合わせて組み替えます。
この違いを理解しているかどうかで、できあがるものの質は大きく変わります。
これからの時代に必要なのは、誰かの後追いを続けることではなく、学びを自分の言葉に変えていく力です。
だからこそ、「徹底的にパクる」ではなく、「徹底的にモデリングする」という発想が重要になってきます。


